業界人から学生への要注意アドバイス”「できない」を言うな”に騙されないようにしよう

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今年もたくさんの社会人が学生や新社会人にアドバイスをしてやろうと狙っています。

”「できない」を言うな”  そんなアドバイスを受けたら要注意です。


ついついそんなアドバイスを真に受けて自分の人生を振り回されたりしないよう、注意すべきアドバイスを1つ挙げます。

業界人から学生への要注意アドバイス ”「できない」を言うな”

専門学校ではたまに業界人のセミナーや講義が行われることがある。

私も以前在学していた頃に数十回は受けさせられた。

講義は大体2時間程度で行われ、内容を覚えているものはほとんどないが、良かったと感じた講義の講師はなんとなく顔が浮かぶような気がする。

それよりもその後レポートを書く宿題が出されるので文章を書くのがずっと苦手な私はそれが嫌だった印象のほうが強い。

課題提出率という大事な数字に関わるのでやるしかないのだ。

講師は大企業の社長やプロデューサーから、現社会人の学校OBまで様々だが、講義の最後には必ず業界を目指す学生たちへアドバイスを残していく。

その中でも、複数の講師の口から出ていたアドバイスがある。

それが、

「できない」を言うな。

である。

「できない」を言わない講師の主張

成長に繋がる

自らの経験が無いポジションや、不可能そうな完成レベルの要求であっても「できない」を言わないことによって、経験が得られてレベルアップできる。

信頼に繋がる

「できない」を言わないことによって仕事を頼まれるようになり、より多方からの仕事を受けることができる。また、「できない」を言わず受けた仕事が「できた」ことによって上司や取引先からの信頼が高まる。さらに自らもレベルアップしているのでより信頼される。

精神が強くなる

「できない」と思っていた仕事ができたことによって自信がつく。

その過程の焦りや疲労で追い込まれて、辛くしんどかった経験が自分を強くしてくれる。

あの頃のしんどさに比べたらそこまでしんどくないなと思える。

という主張。

できないを言わない リスク

時間を圧迫する

当然だが「できない」ことは既に自分のできる範囲よりも時間がかかる。

方法や仕組みを調べる必要があるし、それを見つけたとして、ひとつひとつ確認しながら作業を進めていかなくてはならない。

使い慣れたツールや既に頭に入っている工程よりも必然的に時間がかかってしまう。

さらに、やったことのない領域なので、出来上がったものも粗悪であり、いつまでもチェックが通らないこともある。クオリティラインに達せず時間がかかる。

自分のことが後回しになる

「できない」と言わないということはある種、自分の裁量以上を受け入れることになるため、追いやられるように自分のことが後回しになる。

食事をしながら仕事をし、仕事が終わったら寝るだけの生活が続く。

精神的に追い込まれる

できるか分からないことをやっているので、自分の成長が追いつかなかったりどうしても解決できないことに直面するが、その間も締め切りは迫り続けるので精神的に追い込まれる。

常に不安に追われるので、自律神経がバグって不眠や暑くないのに汗をかいたりする。うつ病になり社会復帰が難しくなる可能性や最悪過労死の原因になる場合も無いとは言えない。

信頼を失う

「できない」言わない主張の中に、信頼が得られるとあるが、それと反して信頼を失う可能性もある。

講師の主張では「できない」を言わずに仕事や役割を受け入れた結果、「できた」場合の経験談しか述べられていない。

できなかった場合はどうなるだろうか。

・作業が遅くスケジュールに間に合わない。

・クオリティの低いものが出来上がる。  

・体調を崩し長期間働けなくなる。

上記ように、上司や取引先、利害関係者など周囲からの信頼を失うことに繋がる。

そうなると周囲だけではなく、自分自身も信じられなくなってしまう。

成功のイメージが湧かなくなりチャレンジに消極的になる。自信を大きく失ってしまう。

隠れたバイアス

この「できない」を言うな主張には生存バイアスを考慮する必要がある。

生存者バイアス(せいぞんしゃバイアス、英語: survivorship bias、survival bias)または生存バイアス(せいぞんバイアス)とは、何らかの選択過程を通過できた人・物・事にのみを基準として判断を行い、通過できなかった人・物・事は見えなくなるため、それを見逃してしまうという誤謬である

Wikipediaより引用

「できない」を言わない主張の根拠となるサンプルは、「できない」を言わないことで成功した講師本人だけである。つまり、「できない」を言わなかったが失敗してしまった者は含まれていない。

つまり、

私が今こうして功績を出して信頼を得ているのは、あの時「できない」を言わずに頑張ったのが理由であるはずだ。

という結果ありきで導き出された主張なのである。

逆に、「できない」を言わず自らを追い込んだ結果、破滅してしまった者は、あの時頑張らずに「できない」と言っておけばよかったと思うだろう。

私が指摘したいのは、「できない」を言わない主張は生存バイアスによって偏った認知からくる主張なのではないかということだ。

たまたまできただけ

ここでいうたまたまできただけというのは、成功確率だけの話ではない。たまたまできる環境にいただけなのではないかという話だ。

成功にいたった様々な外的な要因が語られていない点についてである。

・たまたま問題解決できるレベルの課題だった。

・たまたまWEBにノウハウがあった。

・たまたま知り合いのツテに問題解決できる人物がいた。

・その他、今で言うコロナショックのような予測不能な事態がたまたま起こらなかった

などのことが外的な要因として挙げられるだろう。

そういった、結果に影響の出る様々な要因を語っていない状態では、

「できない」を言わないことによって成長できて信頼も得ることができた。とは言いきれないわけである。

リスク志向の生き方である

「できない」を言わないことは成長や信頼を得られる可能性がある代わりに、失うリスクも存在することが前項で論じたことであるが、このことから「できない」を言わない主張はハイリスク・ハイリターンの生き方だと言える。

得られるものが多いかわりに、多くを失う確率も秘めている。

というのが、バイアスを排除したより客観的な正しい見方なのではないか。

私はこの生き方が向いている人間と向いていない人間の2種類がいると思う。

向いている人間というのが、リスク志向型の人間だ。

成功や自分の思いを実現するために積極的にリスクをとって大きな成果を狙うタイプである。

よく講師としてやってくる中小下請けの社長や大企業でポジションを獲ているのはこのタイプだろう。

より大きなリターンを得るために進んでリスクをとっていくリスク志向の人間であれば、この「できない」を言わない生き方が性に合うことだろう。

逆に、リスクを好まない安定志向の人間がこの生き方をすると、毎日身の縮む思いをして、幸福感が得られないだろう。

講師としてこのアドバイスを残す人物はリスク志向の強い人間であり、それが合うかどうかは人を選ぶ。

結論 「できない」も言っていい

自分はどのタイプか

リスクがあっても成長や成功を獲りに行くリスク志向タイプなのか、変化が少ない代わりに大きな損もしない安定志向タイプなのか、それを考えずアドバイスを鵜呑みにしてしまうと自分にとって間違った道を進み続け大きな損に繋がることになるだろう。そうならないためにもしっかり自らの頭で考えて生き方を選択していく必要がある。

人それぞれである

アドバイスはアドバイスなので鵜呑みにせず、参考にした上で自分に合った生き方をそれぞれ考え選択していくことが大切。

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この記事を書いた人
意識の低いCGアニメーター

専門学校から大手CG映像制作会社に就職。

憧れのアニメに参加するも、炎上案件で残業まみれになり、
新卒後2年で転職。
現在はバーチャルYouTuber事業、VR事業に携わって働いている。

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