【VTuber業界】にじさんじとホロライブの二強となったのはなぜか?【比較】

CG

1万人を超えたといわれるVTuber。

しかしバーチャルYouTuberランキングの100位以内は、ほぼにじさんじとホロライブで埋め尽くされています。

まさににじさんじとホロライブの2強。

つい1年ほど前まではもういくつかのグループがその存在を競っていたはずです。

なぜVTuber業界はにじさんじとホロライブの二強となったのでしょうか?

結論から言うと、

VTuber業界3つの課題を上手くクリアしているからです。

VTuber業界3つの課題というのは、

  • コスト
  • マネジメント
  • マネタイズ

の3つです。

こちらについては「VTuberがオワコン化していくのはなぜ?7つの理由」で詳しく書いていますのでぜひご一読ください。

今回はコスト・マネジメント・マネタイズの3つの観点から、

にじさんじとホロライブを比較しながら解説していきます。

■この記事を書いている人
・VTuber業界で働いて2年目。
・VTuberの表情やアニメーション、Unityまわりの作業、動画制作全般を行っている。
・疲れた時は宇志海いちごちゃんの動画を観る。

にじさんじとホロライブの二強となった理由:コスト

コストというのは主に

  • 導入にかかる初期費用(イニシャルコスト)
  • 活動を継続していくのに必要な費用(ランニングコスト)

になります。

例えば、

  • モーションキャプチャ機材
  • アプリ開発
  • エンジニア、映像クリエイター、マネージャーを雇う給料 など

VTuber事業にはこれらのコストがかかります。

にじさんじとホロライブはこのコストの課題をどう乗り越えてきたのでしょうか?

コスト面から見たにじさんじ

にじさんじはイニシャルコストとランニングコストの両方をうまく抑えました。

それまでVTuberといえば3Dモデルが当たり前でモーションキャプチャ機材は安く抑えても20万円はかかり、3Dモデルや動かす為のセットアップを発注する費用も合わせると、1体のVTuberが活動を始めるだけで100万円以上はかかるものだと考えられていました。

しかし、にじさんじは

  • モーションキャプチャ機材 → スマホ1台
  • 3Dモデル → Live2Dモデル
  • 動画制作 → 生配信
  • スタジオ収録 → 自宅収録

と革新的なまでに低コストでVTuber活動を始めました。

デビューと活動継続にかかるコストを大幅に下げたことによって、その分多くのタレントをライバーとしてデビューさせることを選び、

100人を超えた今もオーディションを継続して行っています。まだまだ増えていく予定のようです。

オーディションを潜り抜けた才能ある100人のタレントを抱え、大きな強みにしているのがにじさんじです。

コスト面から見たホロライブ

ホロライブもにじさんじ同様、Live2Dでデビューしていくことでライバーの人数を増やし、人気が出ればその後3D化する流れでイニシャルコストを抑えています。

最初にデビューしたときのそらちゃんこそ3Dでしたが、その後の白神フブキちゃん、湊あくあちゃんなどなどはLive2Dでの生配信を中心に活動しています。

収録環境もLive2D配信では自宅から配信を行っており、生活感が垣間見えます。

コスト面から見たにじさんじとホロライブの比較

コストを抑え数を増やしていく展開はにじさんじと共通していますが、違う点もあります。

その後のコスト配分です。

にじさんじは総勢100人を超えその数を増やすことにコストを回しています。

一方ホロライブは現在27人。2020年7月現在

男性グループのホロスターズやホロライブ中国を合わせても約50人です。

十分に多いですが、にじさんじと比較すると少ないです。

ホロライブは人数が少ない分、どこにコストをかけているのでしょうか。

それは3D化です。

ホロライブは人数を絞っている分、一人ひとりが高いクオリティで3D化しています。

クオリティはにじさんじと比べての話になってしまいますが、にじさんじ初期の3D化は有志が3D化したモデルを買い取っていたこともあり、クオリティにかなりバラつきがありました。

一方ホロライブは、一斉に一律のクオリティで3D化し、見た目にも統一感があります。

2019年8月には一斉に水着衣装を揃え、

ホロライブ14人が水着衣装で踊るMVが公開されました。

【水着で踊る特別版MV】VTuber事務所「ホロライブ」公式曲第1弾『ShinySmilyStory』試聴動画 【 #ホロライブサマー 】
ホロライブ14人が水着衣装で踊るMV

新衣装お披露目配信はにじさんじも行っていますが、Live2Dでの新衣装であり、一斉に3D新衣装発表が行われたことはありません。

他にも、2020年1月hololive 1st fes.では23名がライブ用の新衣装でライブを行いました。同じステージに23名並んでいる姿は圧巻です。

このようにホロライブは3D化に力を入れており、オリジナルアニメに出演するなど3Dの肉体をもって、その活動の幅を広げています。

これらのようなことができるのは人数を絞って、質を高めることにコストを配分し注力した、ホロライブだからこそでしょう。

にじさんじとホロライブの二強となった理由:マネジメント

ここでいうマネジメントとは、マネージャーの人数や技術サポート体制など、タレントへのケアが該当します。

マネジメントがうまくいっていないと、一見経営が順調そうな企業でもタレントとのトラブルからVTuber活動が突然終わることが少なくありません。

にじさんじとホロライブが2強となったのは、マネジメント面のトラブルによって大手が自滅していったことも大きな理由のひとつです。

このマネジメントの課題を乗り越えた理由がにじさんじとホロライブにはあるはずです。

マネジメント面から見たにじさんじ

にじさんじのマネジメントは、ほとんど放置から始まっています。

にじさんじ1期生はライバー用スマホのiPhoneⅩとにじさんじアプリからミラティブ配信でデビューした後YouTubeに移っていくスタイルでした。

その際、配信やPCで起きたトラブルはライバーによると同じライバーの渋谷ハジメくんが相談を受けてくれ解決していたそうです。そのことから渋谷ハジメくんは視聴者からも「にじさんじのサポセン(サポートセンター)」と呼ばれていたほどです。

実際はサポート担当がいるのかもしれませんが、ライバー同士がサポートしあうことによって自主的に問題解決できるのは複数人一斉デビューさせるにじさんじの強みです。

またライブ配信はライバー自身に任されており、デビュー配信はトラブルが頻発していました。月ノ美兎委員長の初回配信では配信が何度も途切れてしまい「回線大丈夫ですか?」という話が内容のほとんどになっています。

そういったトラブルはライブ配信だからこそ起きてしまいますが、視聴者からリアルタイムなコメントをもらうことができますので、コメントにより解決できるトラブルもあります。

例えば、配信の音量バランスは通常、配信前に限定公開のテストを行いスタッフがチェックします。

しかし、にじさんじのライブ配信では音量バランスのチェックは視聴者がします。

ライバーはライブ配信を始めた後に「音量大丈夫ですか?」と直接視聴者に質問します。

これによってライブ配信をするのにいちいちスタッフが付く必要がありません。

つまり、にじさんじは同期ライバーと視聴者からのサポートによって、そもそもマネジメントの必要性が少ない環境になっていた。というのが結論です。

2020年のにじさんじは事業拡大に伴って、ライバーの配信でもマネージャーとのエピソードが徐々に出てきていることからも読み取れるように、人数は不明ですがライバーを担当するマネージャーがついているようです。

マネジメント面から見たホロライブ

ホロライブの体制もにじさんじと極めて似ています。

普段の配信はLive2Dを使い自宅収録であるため半分放置です。ライバーが自主的にライブ配信を行っています。

しかし3D配信に関してはかなりサポートが厚い様子が見て取れます。

カメラの切り替えやオブジェクトを出現させるのは当然ながらスタッフがついているから実現できます。2019年7月には光学式モーションキャプチャ(導入に1000万円以上かかる…)を導入しています。(にじさんじの光学式導入は2019年10月)

設備や技術に対して大きく投資していることがわかります。

これは人づてに聞いた話ですが、3Dのスタジオ収録では5人以上のスタッフが現場についているようです。

これらのことから技術サポート面において十分な資金が配分されておりライバーの負担が少なくなっていることが分かります。

マネージャーに関してはどうでしょうか?

ホロライブには、所属タレントとともに初期から友人Aちゃん(えーちゃん)というホロライブ裏方担当が存在し、Twitterアカウントもあります。

えーちゃんはTwitterでその日の配信スケジュールをツイートしてくれていますが、マネジメントのひとつと言えるでしょう。(にじさんじ初期ではライバー静凛先輩がスケジュールをツイートしてくれていました。)

また、ホロライブのライバーとえーちゃんがTwitterでコミュニケーションをしている様子が見られることや、ホロライブ情報を発信する桐生ココさんの「朝ココ」では頻繁に裏話をタレコミしていることから、タレントとのコミュニケーションをマメに行なっていることが分かります。

これらのことから、

ホロライブはにじさんじと同様、普段の活動はライバー自身にまかせて半分放置。3D配信や技術サポート、マネージャーなどに関してはにじさんじよりはいくらか手厚かった。

というのが結論です。

にじさんじとホロライブの二強となった理由:マネタイズ

事業の継続と拡大にはマネタイズが必須です。VTuber業界ではマネタイズできずに消えていく企業がほとんどです。

にじさんじとホロライブはどのようにマネタイズの課題を克服しているのでしょうか。

マネタイズ面から見たにじさんじ

まず、にじさんじの収益はどういったところから発生しているのでしょうか?

なんとにじさんじライバーの樋口楓さん(でろーん)が収入事情について公開してくれています。

【雑談】VTuberってどうやってお金稼いでるの?月収は?【新生活】

こちら参考にしてざっとまとめると

  • YouTube
    • 広告
    • スーパーチャット
    • メンバーシップ
  • グッズ
    • 各グッズ
    • ボイス販売
    • コラボカフェ
  • イベント
    • 出演料
  • 広告案件
    • プロモーション料
  • 音楽活動
    • CD売上
    • 歌唱出演

複数の源泉から収益を得ているのが分かります。

樋口楓さんによると、こういった収益はまずにじさんじに入った後、その割合を「どーにかこーにか」してライバーに分配されるとのこと。

グッズやボイス収益は利益率が高いため主な事業収益となっているでしょう。

マネタイズ面から見たホロライブ

こちらも収益源はにじさんじと大きく変わりません。

VTuber活動を通して狙えるマネタイズ方法はどこもタレント活動とキャラクターIPを合わせたような内容になります。

しかし特筆すべき点があります。

それは中国市場での成功です。

ホロライブはデビュー当初からYouTubeと並行してbilibiliの活動を続けており、特に白神フブキちゃんはこちらのbilibili動画バーチャルYouTuberランキングでキズナアイを超えて1位になっていたこともあります。

他にも、bilibili動画バーチャルYouTuberランキングの上位はホロライブのタレントが席巻していることが分かります。

にじさんじも23位から物述有栖ちゃんがランクインしていますが、ランキングではホロライブの文字が目立ちますね。

投稿数を見てもにじさんじライバーが数百件なのに対して、ホロライブは1000件以上動画投稿していて、かなりbilibiliに力を入れているのが分かります。

中国市場を味方につけ、マネタイズの課題を乗り越えているといえるでしょう。

にじさんじとホロライブの今後の勢いは?

にじさんじは2020年4月に19億円の資金調達し、累計で30億円以上の資金調達。

ホロライブは2020年5月に7億円、累計で10億円の資金調達を行ったそうです。

VTuberブーム発生当初、私たちはバーチャルYouTuberを観て、バーチャル空間で生きているキャラクター達と自由にコミュニケーションが取れるような世界を期待しました。

しかし、あれから2年が過ぎ、

実際に生き残って大きな勢力を手にしたのは、多少表情が動いて体を揺らすのが精いっぱいの2次元絵が画面に張り付いているだけのニコ生と変わらない雑談配信やゲーム実況配信を行うLive2DのVTuberでした。

期待した世界にはたどり着かないままブームは落ち着きを見せ始め、VTuberはオワコンと言って離れていった人もいます。

しかし、形を変えようとも、予測不可能な荒波を乗り越えVTuberブームを成功で終えたにじさんじとホロライブ。

この二つのグループには投資家の期待が巨額の資金とともに集まっています。

今後どっちのほうが勢いがあるかを強いて言うなら、単純に資金調達額の多いにじさんじでしょう。

ただ、にじさんじとホロライブで投資戦略が微妙に違います。

にじさんじはグローバル展開と新たなエンターテインメントの開発。

ホロライブはグローバル展開とXR(ARやVR)開発、バーチャルでの新たな体験に資金を使ってくれるそうです。

どちらもグローバル展開は同じですが、その他の戦略の違いが数年後どう差をわけるのか。

とても楽しみです。

VTuberの多くが淘汰されましたが、いくつかが生き残ったことで注目され、資金が集まりました。

資金が集まったことでにじさんじとホロライブの勢いは大きく広がり、さらに注目されまた資金が集まって、どんどんと勢いを増していくでしょう。

コストが高すぎて第一次ブームでは実現できなかった新たな世界がもう近いうちに観られるかもしれません。

これからも変化し続ける未来を楽しんでいきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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